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7・8月の読書本
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71.『戦略的心理療法』J.ヘイリー著
72.『音楽療法の手引』松井紀和編著(再読)
73.『音楽療法の実際』松井紀和編著(再読)
74.『あなたの心配ごとを話しましょう ー響きあう対話の世界へー』トム・エーリク・アーンキル、エサ・エーリクソン著
75.『いのちの最後の授業』カンポン・トーンブンヌム著
76.『3歳からのアドラー式子育て術「パセージ」』清野雅子、岡山恵実著
77.『人間関係にあらわれる未知なるもの ー身体・夢・地球をつなぐ心理療法ー』アーノルド・ミンデル著
78.『ことばと身体』尼ヶ崎彬著
79.『言葉と無意識』丸山圭三郎著
80.『よくわかる最新医学 乳がん』山内英子著
81.『いのちの食卓』辰巳芳子著
82.『考えることの科学 推論の認知心理学への招待』市川伸一著
83.『霊性の時代 これからの精神のかたち』加藤清、鎌田東二著
84.『気の人間学』矢山利彦著
85.『続 気の人間学』矢山利彦著

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久しぶりの更新です。
ゆっくりとPCに向かってブログを書き、掘り下げていきたいことはたくさんあるのですが、なかなか時間が取れずにいました。

7・8月も、本との出会いが面白かったです。
特に、丸山圭三郎『言葉と無意識』からの、市川伸一『考えることの科学』。
本を読んでいるといろいろなレベルの文章に触れますが、中でも言葉と文章表現を巧みに使い分けながら、精緻さの極みの中で結論へと昇り詰めていくものに出会うと、あまりに鮮やかで唸ってしまうことがあります。
巻末の著者の略歴を見ると、大抵それを著した人は、私が出会った中ではなぜか東大の文学部出身であることが多い。
色川大吉著『我が聖地放浪 カイラスに死なず』、中村雄二郎の『共通感覚論』『臨床の知とは何か』なども、とても良かった。

そこで・・・

 鮮やかな文章の執筆者は、東大文学部出身である。
 この本の文章は鮮やかだ。
 従って、この本の著者は東大文学部出身である。

といった、少々短絡的な演繹的推論をするようになってしまいそうになっていた私ですが、そこに市川伸一著『考えることの科学』にグサっと釘をさされました。


 ・ある国を旅行して親切にされたので、「この国の人は皆親切だ」と思う。
 ・「趣味はゴルフです」というのを聞いて「裕福な人に違いない」と思う。
 ・前やった問題と似ているので、「同じ解き方で解けるのではないか」と思う。(本文より)


以上、これらはすべて推論です。
この3つの文章は、こうして改めて見ると、かなり極端な判断を元に成り立っています。
ですが、私たちは意外と、そのような極端な思考で日々出会う出来事を判断している可能性が、やはりあるのです。

日々の大量なインプット情報を、どのように処理していくかという問題に直面した時、人間の脳が、外有知識に関連付けながら、情報を構造化して蓄積する、という方法をとっています。
そしてそれには、”記憶の節約”でもあり、またつぎに同じような事態に直面した時に、結果を予測したりコントロールしたりすることができる、というメリットがあります。

一方で、この節約が、非常に偏りのあるものになってしまう場合も多々あることを、著者は指摘しています。
状況を、大きな考え違いを元に判断してしまうことにもつながってしまうからです。
実際に、社会心理学における研究でも、私たち人間が、基本的に自分の自尊感情を満たしたいと思っており、そこから推論も自分の正当性や自尊感情を守る方向に行きがちなのだそう。

例えば、災害心理学でよく言われている危険な心理に、以下のようなものがあります。
・「多数派同調バイアス」…他の人も逃げていないから、自分も逃げなくても安全だと思ってしまう
・「正常性バイアス」…危険な状況にも関わらず、落ち着いて、”自分だけは大丈夫”と思ってしまう
これは、災害が起こった時に、人々が陥りがちな推論であるというのです。

要するに、私たちはどこまで行っても、このニュートラルな世界を、自分の都合のいいように解釈しがちだ、ということです。
そして、それは、どこまでも意味づけの世界で生きているという事実をあらわしてもいる訳です。

苦しみもすべて、意味づけから生じます。
意味づけという迷妄に気づき、抜け出していく。
これは特に最近の、私のテマでもあります。

明日の台風、気を付けましょうね。


愛と感謝をこめて



by ramram-yoga | 2018-09-03 23:48 |
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