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ベートーヴェンの第九
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今夜はテレビの特番で、熊本地震復興支援コンサートをやっていました。
有名な楽曲を地元の演奏家の方々が演奏されていて、復興への強い想いと人々の絆を感じました。

最後にはベートーヴェンの第九。
今さら私が言うまでもないですが、やはりベートーヴェンの曲は本当に素晴らしいですね。

ベートーヴェンは、曲の完成度もさることながら、生きるということに全くといっていいほど妥協の無かった人だったのではないかと思います。
人間的な苦悩を、ごまかすことなく、逃げることなく舐め尽くした人。

苦悩無しには生まれなかったであろう、ベートーヴェンの楽曲の数々。
例えばこの曲の出だしからは、絶望としかいいようのないものを感じます。

ベートーヴェン作曲 ピアノソナタ第8番 ハ短調 タイトルはその名も「悲壮」。
アシュケナージの演奏で。




そして、その苦悩を、群を抜いて美しく洗練された音楽にまで昇華していったところに、ベートーヴェンの偉大さがあります。
ちなみに、「悲壮」の第二楽章は本当に美しいです。
こちらも、アシュケナージの演奏。


この完成度の高い美しい音の重なりや和音進行は、極めて緻密に推敲を繰り返し繰り返し行うという、ベートーヴェンの作曲スタイルから出来上がったものです。

第九を聴いていると、もはや、人間的な苦しみや喜びとは明らかに次元の違う、万人の祈りや歓喜に圧倒されるような感覚を覚えます。
多分、ベートーヴェンは、人間的な苦悩を経験することを通して、最終的に高みに達していったのだと思います。

バッハのような、人間離れした、天から大地に降りてくるような音色も美しいですが、ベートーヴェンの楽曲は逆に大地から光指す天に昇っていくようで、またバッハにはない美しさがある。

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よく、悩んでいる人に、「まぁまぁ、そんなに気にしないで」と言ったりして、深刻に悩むこと自体を悪い事のように捉えてしまうケースがありますが、悪いことでは全然ないのではないでしょうか。
でも、その人が悩んでいるのなら、今、その人には悩むという経験が必要なのです。
悩んで悩んで悩みぬいて、もがいて悶えて、納得するまでとことん苦しめばいいと思うのです。
きっと、苦しみ抜くという経験を通して、他の誰にも表現できない、唯一無二の美しさを表現していく人なのです。

ベートーヴェンの楽曲は、精神的にしんどいと感じる時に聴き、これまで何度も何度も助けられてきました。
聴いていると、今直面している苦しさから目をそらさず、その中に自ら入っていく勇気をもらえる気がするのです。

さて、こちらでは小澤征爾さん指揮のを貼り付けています。
ベートーヴェン作曲 交響曲第九番





愛と感謝をこめて


by ramram-yoga | 2018-04-29 20:54 | music
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