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自己組織化する宇宙
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『自己組織化する宇宙』エリッヒ・ヤンツ著

すごい本に出逢ってしまいました。
読み進める度、出てくるのは感嘆詞。
読み始めてから読み終わるまでの3日間、何をしていてもこの本のことが離れませんでした。
真理について、宇宙の進化を切り口に、論理的かつ芸術的に、展開がなされていきます。

まずこの本は、水道の蛇口から出る水の形態について触れるところか始まります。
蛇口をひねり、水を出すと、はじめ水の流れは滑らかで、断面は完全な円形、色も透きとおっています(層流)。
ところが水圧を上げると、水の様相が一変します。
水はよじれ、動的な構造がそこにあらわれます(乱流)。
しかしさらに蛇口をひらくと、水流はまたも突然、別の乱流構造に変わります。

この変化は、はじめは秩序だっていた水の流れが、無秩序になってしまったのか、と、捉えられるかもしれません。
ですが著者は、そうではないといい、次のように続けます。


実は乱流とは、より高次の秩序が支配する状態なのである。


そして、こう続けます。

こうして、しばしば引き合いに出される「成長の限界」なるものが、動的構造の進化によって乗り超えられ、新たな構造のなかで限界が押し拡げられていく。
ゆらぎが大きく育ち、ある臨界規模を超えると、どのような構造も、新しい体制へと移行していく。

つまり、プロセスの展開に従って、いくつもの構造が次々と現れていくのです。
このように、進化とは常に不安定性や不確実性 ー本著ではこのことを「ゆらぎ」と言うー を内在し、その「ゆらぎ」そのものが進化において決定的な役割を果たすというのです。
そして、そのプロセスによって、宇宙そのものが、ますます生命化し続けている、と。
絶対安定な状態に到達することは、決してないのです。

このプロセスは、広い意味での生命そのものであると見なすこともできるだろう。
生命は、つねに先への進んでいく。

逆に、新規性を犠牲にして確立や安定性が最大化された時、それらのシステムは平衡に向かい、それは遅かれ早かれ死を迎える、と。

そして、このような自己組織化のダイナミズムについて、著者はこう述べています。

システムの自己組織化ダイナミクスをシステムの心と呼ぶとすれば、われわれはむしろこう言うべきかもしれない。
神は創造主ではなく、宇宙の心なのだ、と。
つまり、神は神自身がつねに変貌を続ける進化のシークェンスの中で、繰り返し繰り返し自己を放下する。
進化のプロセスに働く不確定性や自由意志によって導入されるあらゆる危険を犯して、神は放下する、というのである。
したがって、神は絶対ではなく、神は神自身を進化させる。
神が進化なのだ。

*******

この本をご紹介してくださったのは、今年度ゼミで教わった京都大学の広井良典先生です。
ゼミでは毎週のようにレポート発表をしたのですが、そこでの体験が忘れられません。
自分の考えをまとめ、あのゼミの場で発表する。
そして、いただいたコメントを持ち帰ってまた考える。
考えて考えて、その過程で時々、思考の飛躍が訪れ、今まで到達したことのないような境地が、開けていきました。
ゼミが終了してしまった今、私は自分がある種の禁断症状のような、渇望の状態にいることを感じています。
あのピカッとするような閃きと共に体感する、言葉では言い表せない感覚を、もう一度味わいたい。
そう思っていました。

それに近いことを、著者が述べていたので、そこも引用。

真の対話というものは、手持ちの知識を交換しあうわけではない。
それ以前にはこの世界に存在しなかったような新しい知識を、積極的に組織化していくのである。


そうそうこの感覚です。
まったく新しいものが、生まれていく。
そこに奥深い快感と魅力を感じるのは、私という生命そのものの中に、著者の言うところの”神の心”が内包されているからでしょう。
つまり、常に新規性を求め、さらなる高度な組織化に向かっていく進化の流れが、私という存在の根底に不可分にあるのです。

この本を読むことで、そのなんとも魅力的な、エクスタシーともいえる状態に入っていたのでした。


愛と感謝をこめて

by ramram-yoga | 2018-02-02 22:37 |
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