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世界はうつくしいと
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この6月で6歳になった息子。
最近、何を言っても、「なんで?」の嵐です。
説明しても、それに対して「なんで?」。
また説明しても、「なんで?」。

先日、食事中に、肘をつかないように注意をしたら…
出ました!
「なんで?」攻撃(笑)
お行儀が悪いからよ、とか、そういう決まりだから、と伝えても、「なんで?」と納得できません。
考えた末、「美しく食べよう。美しい姿勢ってどんな姿勢?」と言いました。
すると、「なんで?」がピタッと止まりました。
そして、「こうかな?」と言いながら、スッと肘を引き、背筋を伸ばしました。
おまけになんと、表情も引き締まった。

美しいという言葉、息子なりに何か感じることがあったのでしょうね^^


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「世界はうつくしいと」
長田弘

うつくしいものの話をしよう。
いつからだろう。ふと気がつくと、
うつくしいということばを、ためらわず
口にすることを、誰もしなくなった。
そうしてわたしたちの会話は貧しくなった。
うつくしいものをうつくしいと言おう。
風の匂いはうつくしいと。渓谷の
石を伝わってゆく流れはうつくしいと。
午後の草に落ちている雲の影はうつくしいと。
遠くの低い山並みの静けさはうつくしいと。
きらめく川辺の光はうつくしいと。
おおきな樹のある街の通りはうつくしいと。
行き交いの、なにげない挨拶はうつくしいと。
花々があって、奥行きのある路地はうつくしいと。
雨の日の、家々の屋根の色はうつくしいと。
太い枝を空いっぱいにひろげる
晩秋の古寺の、大銀杏はうつくしいと。
冬がくるまえの、曇りの日の、
南天の、小さな朱い実はうつくしいと。
コムラサキの、実のむらさきはうつくしいと。





by ramram-yoga | 2017-07-27 20:03 | ことば・メッセージ
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