秋になって実のなるような果樹には、春、美しい花の咲く樹はない
森信三
先日、集中内観から帰ってこられた方が、思わず別人かと思ってしまうほどに、変化を遂げられていました。
それまで漂わせていた、あきらめと激しい怒りで混沌とした雰囲気から一変、その下に隠されていた純粋さが表に輝き出てるかのようでした。
そして、まるで子どものように無垢で透き通った、キラキラとした瞳。
見たものをそのままに映し出すようで、そんな瞳に見つめられると、人はそれを鏡として自分自身を観るのだと、分かりました。
生い立ちから現在まで数十年続いた、とても過酷で辛い日々。
それが、まるで闇から光へと、目の覚めるような鮮やかな転換を起こしました。
こんなことって、あるんだなと、ただただ自分の目の前で起こったことに感激と驚きを感じずにはいられませんでした。
そして、その方の中にある純真さと、求め続けた強さに賞賛の思いでいました。
人は、変わることができる。
・・・
いいえ、本当は、変わったのではない。
隠されていた本質が、まぶしく輝く純粋性が、表に顕れ出てきたのですね。
心より、祝福を贈りたいと思います。
そして、人の本当の姿というのはこんなにも美しいということを、教えていただいたことに、感謝します。