本当によく雨の降る3日間でした。
ところで、前回の記事でもご紹介した曽野綾子著「老いの才覚」で紹介されていた中に、江戸時代よりつたわる生活哲学「江戸しぐさ」というものがありました。
いくつか挙げると・・・
◆傘かしげ
雨の日に互いの傘を外側に傾け、ぬれないようにすれ違うこと
◆うかつあやまり
たとえば相手に自分の足が踏まれたときに、「すみません、こちらがうかつでした」と自分が謝ることで、その場の雰囲気をよく保つこと
◆七三の道
道のど真ん中を歩くのではなく、自分が歩くのは道の3割にして、残りの7割は緊急時などに備え他の人のためにあけておくこと
◆こぶし腰浮かせ
乗合船などで後から来る人のためにこぶし一つ分腰を浮かせて席を作ること
◆逆らいしぐさ
「しかし」「でも」と文句を並べ立てて逆らうことをしない
どれもとても小さな事ですが、でもなんて気持ちのいい心配りなんでしょう。
ここ数日間の雨で傘をさして歩いていると、私も何度かすれ違う人にさりげなく「傘かしげ」をしてもらいました。
中でも小学生低学年くらいの女の子が本当に自然に、すれ違い際に傘を傾けてこちらが通りやすいようにしてくれたときは、心があたたまりました。
こういうちょっとした心遣いが、日常の生活を豊かにしてくれるんですね。
雨の日によく合うなぁと思いながら、ここ数日聴いていたラヴェルの曲「ハイドンの名によるメヌエット」。
sachie