最近、「ヨーガに出会って、何か変わったことはある?」と聞かれました。
そこで、ヨーガの智慧と出会ってから今までのことを、考えていました。
そして一番に思い当たったこと。
それは、周囲の人に対して親しみの思いがどんどん湧いてきたことです。
以前の私は今思えば、人と自分との"違い"にばかり目を向けていたような気がします。
「私はあの人とは違う、この人とは違う」
違う違うと、他人との境界線を作っては自分のアイデンティティを必死に守ろうとしていたのかもしれません。
そして、孤独感をよく感じていました。
しかし、今は、他の人と自分とをがんばって区別する必要を感じなくなりました。
周囲の人の中に自分と同じものをたくさん見ることができます。
みんな、自分と同じように悲しみ、苦しみ、喜ぶ存在なんだと思うと、よく感じていた孤独感や敵意も、減っていきました。
人前で自分をよく見せようと必死になって、後でくたくたになることも、少なくなりました。
そして、今まで自分が思っていたよりも、はるかに広くて素晴らしい世界を、少し垣間見ている気がします。
五感の他に、何かもう一つ知覚のセンサーが増えたのか、と思うくらいです。
音楽を聴いても、道端で花を見ていても、「この世界はこんなに美しかったのか」と感動させられる毎日です。
書いていて、大げさ?と思いますが、でも本当にそうなんです。
4年前、ヨーガの智慧に出会った頃の私には、想像もしない自分の変化です。
ヨーガではよく、"意識化の範囲の拡大"という言葉が使われ、それが大きな目標の一つとされています。
"意識化の範囲の拡大"とはその言葉のとおり、自分の意識し得る範囲を広げていくこと。
そして自分の狭い視野や限定された価値観から開放されること。
物事の持つ多くの面を見、善悪の判断から離れて、洞察していくこと。
物事や周囲の人に対する深い理解を得るということは、実は自分を深く知るということ。
すなわち自分自身を探求することは、そのまま周囲・世界に対する理解を深めることにつながります。
その理解が少し深まったとき、目に映る世界が確実にその色彩を変えていく。
そんな経験をしました。
まだまだこれからも、目に映る世界の色合いは変わっていくのだと思います。
今まで当たり前だと思っていたことが、どんどん不思議に思えてきます。
これからどんな未知の世界が広がっていくのか、楽しみに思う今日この頃です。
sachie