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全ての現象は、その存在を絶対的に支えている何かがなければあり得ないのだ、ということを、身体感覚を伴って体験してから、丸2日が経とうとしています。 この体験が私にとってどんな意味を持つのかについては、後になって振り返ってみないと分からないことでもあると思います。 気付いたからといって私が変化してしまった訳ではなく、至っていつも通りです。 ”人が何かを悟る”ということは、悟りがある瞬間突然に訪れて、その前とその後ではその人は決定的な変化を遂げて別人のようになってしまう、というのでは、実際は無いのかもしれません。 そのような人もいるのでしょうが、ほとんどの人にとって”悟り”とは、気づきが深まる体験を日常生活の中で繰り返し反芻し、だんだんと自分の体認として落とし込んでいく過程のことを言うのかもしれません。 また、その過程は、ただただ知覚による体験だけで成り立つのではなく、必ず何らかの形で客観的にとらえなおすという理性的な作業が必要なのだと思います。 今から4,000年以上も前に編纂されたとされるウパニシャッド聖典群のひとつ「ブリハドアーラニャカ・ウパニシャッド」の中に記されている瞑想手順にも通じていて、改めてそうなんだなぁと思いました。 そこに記されている瞑想法は以下の4段階に分かれます。 1.シュラヴァナ(聴聞)…まずは智慧や進むべき方向性を学び、ヴィジョンを持っておく 2.マナナ(熟考)…それについて熟考し、内省する 3.ニディディヤーサナ(深い瞑想)…日常生活に即して熟考し続ける 4.ギャーナ(悟り) ********* 今日、目的地に向かう道中、雨の中傘をさしてゆっくり歩いていたのですが、その時にふと、自分の見ている世界が全く変化していることに気付きました。 以前は、目に映る者は全て諸行無常で変化するために、そこに本質は無いという風に見ていました。 でも今日は、目に映るもの全てを、根源的ないのちともいうべき絶対者が多様な様相で現象しているものであると、見ていたのです。 どこを見回しても、それまで感じていた空虚さは無く、それと全く正反対の、充足・充満と形容すべき感覚に満たされていました。 この、自分の内側で、また目に映る全てのものの内側で、大地から天に向かって躍動感を伴って振動しながら上昇する”響き”。 鈴木亨が、「これを極限的に表現するものは、例えばモーツァルトの「交響曲第40番」や、K・514の「管弦五重奏曲第4番」」であると著書の『響存的世界』で書いていますが、私にとっては、最近いつも聴いているバッハのパルティータも、まさにそれを表しているように感じられます。 以前のブログでは、グレングールド演奏のを貼り付けましたが、今回はいつも聴いているグスタフ・レオンハルトのチェンバロ。 (courante は10:36~です。) バッハも、この”いのちの響き”とも言える響きを、感じながら作曲していたのでしょうか。
by ramram-yoga
| 2017-04-26 20:00
| music
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