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癒しというものは、いつも”包まれる”という現象の中で起こる事であるような気がしています。 癒す側が人であっても自然であっても、芸術的な何かであっても、そこに”包むー包まれる”という関係性が生じた時、包まれた側は自我の殻を緩め、無防備になって癒し手に身を委ね切り、そこから深い癒しが生じてくるのだと思います。 これは、自分が癒す側になっている時も、癒される側になっている時も、感じていることです。 というより、突き詰めていくところ、癒しが起こる時、癒す側・癒される側という区別は意味をなさなくなっているとさえ、思います。 最近のヨーガクラスでいつもイメージしていることがあります。 クラスに来られている生徒さんを、子宮という小宇宙ですっぽりと包み込んで密閉し、その場の気の密度をどんどん高めていくのです。 もはや何を言っているのか訳が分からないかもしれないですが(笑)、毎回、明確にそうイメージしています。 緩め委ねることが癒しに必要なら、やはり人が一番無防備で委ねることのできる場所は子宮の中だと思うからです。 先日、いつものようにすっぽりと包み込むイメージをしていた時、包んでいる側のはずの私が、実はそもそも絶対的に包まれているという事に気付きました。 包摂- 被包摂という関係が起こる時、それをさらに包みこんでいる包摂者としての”場”があり、この”場”が無ければそもそもこのような現象は起きえないのだと。 そして、気づきました。 相手が癒される時、同時に癒す側にも深い癒しが起こってきていることに。 包摂ー被包摂の関係で癒しが起こるのは、その底辺で、それを包み込む根源的な包摂者に触れるからである、と。 先日読んだ鈴木亨の『生活世界の存在論』の中で、氏の哲学思想の根本的理法が「存在者逆説空」つまり、”人間的主体は超越的他者に自己矛盾的に逆説し、そこから絶対的に限定されることによって、客体的に主体的であることができるような存在である”とありましたが、もう一つの理法「空包摂存在者」というのが何を表しているのかを、少し理解できたような気がしました。 つまり、この世界の存在者は、絶対的な包摂者である空に包摂され存在している、ということです。 ここまで書いていて、今まで入ったことのない思考の領域に足を踏み入れた感覚があるので、もう少し、以下文章を書き進めることで、気づきを深めてみることにします。 そもそも”私”が存在しているということ自体、その存在を絶対的に支えている何かがなければあり得ないことであり、今書きながら、たった今世界が全く逆転してしまって、あまりにびっくりして叫んでしまいそうなのですが、”わたし”という存在は、死んでしまえば無になってしまうという類の空虚なものでは、全くないのですね。 なぜなら、この世界が成り立つ大前提として、絶対的な包摂する側がまず在るからです。 これを”根本原理”というのか、それとも”絶対者”、”神”、”サムシンググレート”と呼ぶのか、それらが同じなのか分かりませんが、まずは絶対的な存在としての包摂者が在り、それがひとつの表現として”わたし”を存在させている、ということ。 あぁ、そうか、そうだったのですね。 もう少し、今気が付いたことについて、時間をかけて深めてみたいと思います。
by ramram-yoga
| 2017-04-24 18:57
| ことば・メッセージ
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