先週末はボーイスカウトの舎営に参加した息子に付き添って、1泊2日を甲山森林公園の中で過ごしました。
森林の中はツツジが満開。
道中で随所に咲いているのを目にする度に、心奪われました。
春に咲く花はまさに「咲き乱れる」という言葉がぴったりですね。
こちらに入り込む隙を全く与えないかのような力強さと勢い。
花の横顔を眺めながら、その一つ一つの花がどこか同じ方向に向かっているのを感じました。
大地から天へと上昇していく、それはそれは力強いエネルギーでした。
バッハのパルティータ BVW828-3 courante, グレングールドのピアノ演奏で。
今朝ふと聴きたくなって聴いていると、この曲にも、あのツツジのように、生命力が大地から天へ上昇していく様相が表現されているように感じたのでした。
数学者でもあり、音楽の作曲に関しても非常に緻密だったバッハ。
同じ時代に生きたヘンデルのような感動的なダイナミズムとは対照的な、淡々と進んでいくそのメロディーとリズムの中に、なぜこんなに豊かな感性の世界が広がっているのでしょうか。
何度聴いても全く色あせることがありません。
この曲以外にも、聴いていると天に上昇していくような曲が、バッハの楽曲にはあります。
それも、高揚感に浸るのではなく、静かな穏やかさとともに…。
そして、それを聴いている私がそこに感化しているということは、人間にもあの花のように大地から天に上昇していく力強いエネルギーを、生命の本質として持ち合わせているからなのだと思います。