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〈身〉の医療研究会 第3回研究交流会
久しぶりの更新となってしまいました。
これからまた少しずつ、ブログでの更新もしていきたいと思います。

6月25(土)・26(日)は、関西医科大学にて〈身〉の医療研究会の第3回研究交流会が開催され、参加してきました。
この研究会は「〈身〉」という心身一如の身体観を共通基盤として、医療従事者やボディワーカー、セラピスト等多様な分野で活躍する専門家が終結し、ワークショップやディスカッションを行うというとてもユニークな研究会で、私も一昨年の第1回目の研究会から毎年参加しています。

今回のテーマは「機能性身体症候群と〈身〉の医療」。
機能性身体症候群(Functional Somatic Syndrome: FSS)は、Wesselyにより1999年に提唱された新しい疾患概念です。
機能性身体症候群、”適切な診察や検査を行っても、器質的疾患(病理学的所見の認められる疾患)の存在を明確に説明できない病態”と定義されています。
つまり、検査をしても異常は認められないのに、疲労感や頭痛、関節痛、腹痛、動機、めまい、下痢などの症状が出てしまう状態のことです。

このような状態の方が受診は、最近増加傾向にあり、どうやらその背景に、心理社会的要因があるのではないかと考えられています。
そこでやはり、医療の現場においても「体や検査結果を見て薬を出したり手術をする医療」だけでなく、「相手の心の状態や生活様式、環境にまで視野に入れた幅広い視点での医療」が必要となってくるのですね。
今回も講演やシンポジウム等、非常に興味深かったです。
医師では、心療内科の先生が多かったのですが、よりより医療的アプローチを目指して真摯に取り組まれている姿勢に感動しました。

また、このような分野で最近注目されているキーワードとして、「内受容感覚(interoception)」があげられます。
これは、自分の体内の感覚、例えば内臓の感覚等のことを指します。
この内受容感覚は、最近様々なストレス関連疾患との関連も研究されていますが、やはり大まかな傾向としては、この内受容感覚への気づきが鈍い傾向にある人は、ストレス関連疾患にかかりやすいということもあるようです。
ヨーガ療法でも、身体感覚への気づきを大切にしていきますが、そうしていると、身体内部への気づきにも敏感になってくるように感じています。
それに加えリラクセーション効果もあることから、機能性身体症候群に対するヨーガ療法の可能性も、大いにあると感じました。


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ワークショップでは、マインドフルネスをベースとして発展した心理療法「ハコミセラピー」を体験することができました。
ペアになって、セラピスト役がクライアントに触れ、その感覚を味わったり、マインドフルネスの心理状態で自分自身からふっと湧き上がってくる言葉を聴き取ったりしていくワークを行ったのですが、短時間で心の深いところまで到達した感じがしました。


2日間、とても有意義な学びをさせていただきました。
by ramram-yoga | 2016-06-27 16:29 | 心身医学・統合医療
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