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ただ一人の個性を創るために
「ただ一人の個性を創るために」
曽野綾子 著

昨年読んだフランス哲学者澤瀉久敬氏の「健康を考える」に衝撃を受け、それからというもの世界観が少し変化したように感じています。
特に“個性化(individualization)”についての記述。
一つ一つの生命が、それぞれに内在する生命力を最大限に発揮させるとき、それは究極の“個性化”という形で体現されるのだ、というところです。
普遍的ないのちの根源から生み出される生命が、“個”というレベルではそれぞれに個性的であり、むしろ独自的であればある程、その個体は強い生命力を宿している、というのです。

この著書もまさにその個性について、いつもの切れ味良い曽野節で書かれています。
澤瀉氏の読む人を精神的な高みに誘うような美しい文章に対し、曽野氏は極めて現実的な視点で時に手厳しく小気味良く書かれているところが対照的なのですが、私はどちらも好きです。
本書より一部抜粋。

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・・・しかし人間は厳密に言えば、理想的な健康を持っている人ばかりでもないし、またそのような人でも、年を重ねると次第に健康上の不具合を生じるようになる。
明らかな欠損は治すべきだが、しかし私は一方で、人間は片寄っていたり、健全とは程遠いからこそ個性を発揮できるのだという思いが次第に濃くなりつつある。
つまり個性とは、むしろ円満ではない、理想的でもない、ということだ。
だから、人はすべての欠損、人並みでないこと、歪み、などを生かしてこそ、この世で二人とない特性を持ちうると思っているのである。

・・・自分らしくいる。自分でいる。自分を静かに保つ。自分を隠さない。自分でいることに力まない。自分をやたらに誇りもしない。同時に自分だけが被害者のように憐れみも貶めもしない。自分だけが大事と思わない癖をつける。自分を人と比べない。これらはすべて精神の姿勢のいい人の特徴である。


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「不公平」「不平等」と言う言葉に敏感に反応しがちな昨今の社会風潮ですが、その不完全性・片寄りがあるからこその人間の尊さがあり、現代を個性的に、つまり天から受けた生命力を最大限に発揮させながら生きるための心構えを叩きこまれる一冊です。
叩き込まれる・・・曽野綾子さんの著書を読んでいると、いつもそんな感じを受けるのは私だけでしょうか。
ついでにお尻もぺんぺん叩かれているようで、うかうかボーっとしてはいられない気になってしまいます。
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by ramram-yoga | 2014-01-12 12:26 | | Comments(0)
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