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情緒と日本人
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ある読書家の人に、おすすめの本を尋ねたら、教えてくれたのがこの本。

この本の著者である岡潔という人はエッセイストである前にとてもすぐれた数学者で、多変数複素関数論という数学の大難問を20年以上かけて解決した人でもあるそうです。
本人曰く、数学というのは人格と深い関係があって、人格的に未熟な人は数学は本当の意味で突き詰めていけない、そうなのです。
そのくらい数学は、究極的には哲学的というか、本人の言葉を借りれば「情緒」という感性がとても大切なのだそうです。


本の内容は、短いエッセイの集まりで、結構すぐに読めます。
ちょっと今まで知らなかったような独特な感性でいろいろなことが描写されていたり、時々はっとするような綺麗な日本語が出てきて思わず引き込まれてしまいました。

中には、この文章を理解するにはまだわたしは不足だなぁと思うような部分も。
でもそんなことも含めてとても魅力的な一冊でした。


何節か、印象に残った文章を・・・。



中学一年生のとき、試験の前夜おそくまで植物の勉強をやり、翌日起きたところ、気持ちがさえないでぼんやりとしていた。
ところが、寄宿舎の前の花壇が手入れされてきれいになり、土が黒々としてそこに草花がのぞいているのが目に入ると、妙に気持ちが休まった。
日ざしを浴びた土の色には妙に心をひかれてあとに印象が残るようである。

・・・

心の悦びには、だいたい二種類あります。
一つは生命の充実感がもたらすもの、もう一つは発見の鋭い悦びです。
この発見の鋭い悦びは、まるでなにか砂糖分が体内に長く残っているといった感じの悦びなのです。

・・・

数学の目標は真の中における調和であり、芸術の目標は美の中における調和である。
どちらも調和という形で認められるという点で共通しており、そこに働いているのが情緒であるということも同じである。
だから両者はふつう考えられている以上によく似ている。




それにしても、やっぱり読書をよくする人を見ていると、読書はその人を知的にしてくれるんだなぁと思う今日このごろです。



sachie
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by ramram-yoga | 2011-01-27 17:29 | | Comments(0)
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