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「音の意識化」がもたらすもの
前回の記事でも少し触れましたが、身体感覚や心についての感性が開かれている人は、音に対しての感性もとても豊かだなという印象を受けました。

ところで、いわゆる心身症(精神的なまずさが少なからず病状にかかわっている疾患)の患者の特徴としてアレキシソミア(失体感症) が挙げられます。
アレキシソミア(失体感症)とは、その名のとおり、「身体感覚が鈍い」ということで、例えば

a0118928_19431138.jpg・病気が悪化してから気付く
・痛み、その他の身体症状に鈍感である
・空腹感・満腹感への気付きが鈍い
・疲労感に気付かない 


などといった傾向があります。


心身症の特徴としてはその他にも、自分の感情に気づきにくく言語化も得意ではないアレキシサイミア(失感情症・失言語化症)、いわゆる“いい子”のオーバーアダプテーション(過剰適応)が挙げられます。

これに対し、ヨーガ療法のアーサナ(ポーズ)による“身体感覚の意識化”は、「失体感症」に対するアプローチとしてとても有用であるとされています。
また、ヨーガ療法の瞑想法における“自分の心の働かせ方の意識化・言語化”は、「失感情症・失言語化症」にアプローチしていきます。

つまり、自分の体や心を意識的に見つめることによって、心身の健康状態を取り戻していこうとしています。


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一方で、音楽界でも、人々の“無意識”に警鐘を鳴らしている人たちが結構沢山います。

「音風景(サウンドスケープ)」という概念を提唱したR・マリー・シェーファーは、人口の増加や電化製品の増加に伴い、いまや世界の音環境は騒々しく劣悪なものになりつつあり、現代文明そのものが、騒音によって自ら聴覚障害を起こしつつある、と言っています。


それでは、その現代の劣悪な音環境を改善するにはどうしたらいいのか?

そこで、マリー・シェーファーが提案するのが「耳掃除(イヤー・クリーニング)」というものです。
そして世界の音環境の改善は、私達ひとりひとりが自分の周りの音をより深い批評力と注意力を持って聴くことで達成される、ということです。
つまりは、「音の意識化」とも言えると思います。
この「イヤー・クリーニング」の方法については、次回もう少し詳しく触れたいと思います。


こちらは、作曲家であるジョン・ケージの有名な曲「4’33」です。
初めて聴く方は、びっくりすると思います。
「あれ?音声が出てない!」と、あわてなくても大丈夫です。


楽譜にある指示は、ただ「休め」だけ。
ピアニストは何も演奏しませんが、会場から聞こえる人々の咳払いや服の擦れ合う音、そんな音全てが音楽であり、「4’33」という曲を作っているという、なんとも奇抜な曲です。
「聴こえてくる音が、全て音楽」なんて、究極の“音の意識化”ですね。


ちなみに、マリー・シェーファーは、日本人の音に対する感性には敬服しています。
昔から伝統的に、音を美しく織り成すことより音のない静けさに美を見出してきた日本人。

障子一枚隔てて外から聴こえる音を楽しむことのできる日本人の繊細な感性は、「日本人はヨーガに対する感性がいい」とヨーガ行者さんから言われる由縁ともつながっているのではないか、と思う私です。


(上の写真は、家の隣の田んぼです。今日は稲刈りの日でした。)


sachie
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by ramram-yoga | 2010-10-18 19:47 | music
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